ボンドアートとは

ライブペイントパフォーマンスやアートセラピーの分野で活動する画家「冨永ボンド」が2009年8月に創案した独自の画法です。多色彩な塗料で面を描き、黒く着色したボンドで色と色の境目をつなぐ。艶消しの平面と光沢ある黒い立体線は、グラフィックデザインと音楽のつながりが生んだ独創のマチエールです。ダイナミックな絵柄とオリジナルの色彩、ライブペイントという公開創作スタイル、創作コンセプト「つなぐ、つくる」は海外のアートフェア(パリ・ニューヨーク)でも高く評価され、作品の購買や現地ギャラリーとの作家契約に結び付きました。※ボンドアート®は株式会社ボンドグラフィックスの登録商標です。

創作テーマ「つなぐ、つくる」

ボンドは接着剤。モノとモノをつなぐ役割があります。​ボンドアートの役割は、ライブでの創作活動を通して人と人・人とアートをつなぎ、絵を描く作業の大切さや社会におけるアートの役割をより多くの人へ伝えることです。「つなぐ、つくる」つなぐと見つかる新しいカタチ。​ボンドアートは、アートと医療をつなぐ力で、地域社会と医療福祉の分野に貢献します。

黒いボンドの理由

創作テーマ「つなぐ」を象徴する、ボンドの立体的なラインは、コニシ株式会社製のボンド木工用と黒い水性絵の具を混ぜて黒く着色しています。象徴を強調するため、色は最も強い「黒」のみを使用し、画面(絵柄)の中で最も目立つよう「立体的」であり、最も美しく「光輝いて」います。また、色と色を黒でつなぐことは、色と色を完全に「隔てる」ことでもあります。色の個性はそのままに、つないでいく。混ぜるではなく、つなぐ。個性は否定せず、そのままの形でつなぐことを大切にしています。黒の理由は創作活動テーマの象徴です。

作品のモチーフ

ボンドアートには、「人」と「人」をつなぐ役割があるため、作品のモチーフは、全て人間、もしくは人間と何かの関わりを描いています。ボンドアート作品群(第1章~第22章)は、抽象・半抽象・立体・テキストなど様々なジャンルがあり、それぞれ「人」に関わる一貫したコンセプトがあります。(各作品群のコンセプトについては、下記をご参照ください)

第1章「FACE」(守護)

自己防衛。フロー状態(気絶している)の人の顔。BLACK OUT。精神的緊張を遮断し楽しみに没頭する「画を描いている時」の人の状態。ボンドアートの最も代表的な作品群。モデルはなく男でも女でもない。絵を描く作業は、人を守る。

第2章「PEOPLE」(共存)

共存による実存。人の動きとつながりを表した作品群。個人が「動作」をすることで他者とのつながりを無意識に作っていく様。動作をつくる四肢のつながり。関節のつながり。他者とのつながりの中で生きているということの表れ。

第3章「CELLS」(活力)

生命の活力。人を動かす最小単位の基礎、細胞質(CELL)の連結(つながり)。異なる色彩とカタチを持つ細胞が三次元で窮屈に絡み合い大きな力をつくる様。小さな細胞の連結が大きな力をつくり、人体を動かす。

第4章「TRUE」(無垢)

心からの楽しみ。アンファンテリズム(幼児性)の象徴。子どもの描く純粋無垢な芸術を、利き手ではない”左手”で表した狙わない線の作品群。失敗を怖がらない。創作プロセスを純粋に楽しむ。成長と共に少しずつ失っていく感覚。

第5章「FINGERS」(平和)

均衡と平和。身体のバランスを保つ役割を担う、手足の指と爪。人を「つなぐ」ための伝達手段として重要な表現力を担い、一生のうち「何か」と触れることが最も多く、繊細な動作を繰り返す部位。

第6章「RINGS」(友情)

友情と信頼。人と人のつながりがつくる輪。ひとつながりの多彩な輪を幾重にも描き重ね、色と色の境目を黒いボンドでつなぐ。時間の経過と共に徐々に大きくなる人の輪、人の年輪。

第7章「LINES」(人生)

十人十色。老若男女の様々な人たちが1本ずつ直線を描き完成する、参加型の合作。長さは同じでも、色・太さ・曲がり・筆跡、ひとつとして同じ線はない。人の道もそれに等しく、同じ人生はひとつもない。みんな違ってみんな良い。人の道。

第8章「MIND」(元気)

元気、活気、営気、やる気。太陽からのインスピレーション。人に出入りするポジティブな陽の気。目には見えないが皆の周囲に漂う身近なもので、人と人が接する際に最初につながり、最後に途切れるもの。終わりと始まり、始まりと終わり。

第9章「HEARTS」(鼓動)

命の鼓動。人体の中心にあり、生を未来につなぐもの。アウトラインを正確に捉えないマチエールは鼓動を表す。ハート型のマークは世界共通の心臓を表すシンボルマーク。心の音、胸の鼓動、ドキドキ、命。

第10章「BRAIN」(中核)

考える力。人間の思考や行動など、生命に必要な事柄すべての司令塔「脳」。筆ではなく、丸めた「紙」で絵の具を塗布し、脳の位置から垂らした黒ボンド。使用する色は、大脳、間脳、中脳、後脳、小脳、延髄の6種類の領域を示す6色。

第11章「NEAURON」(信念)

強い信念。細胞(CELLS)をつなぐ黒いボンド「ニューロン」を介してつくるネットワーク部分のみを抽出した剥き出しの神経細胞。黒いボンドで描き続ける理由と作家活動に対する信念を示した強さの作品群。

第12章「ICHI」(尊重)

パーツの形状ではなく、色の印象のみでメッセージを伝えるカラーフィールドペインティングの作品群です。各色をより鮮明に認識するため、境界線をぼかすマークロスコとは対照的に黒いボンドで隔てる。「黒でつなぐ」ことは、つまり「完全に隔てる」こと意味しており、人の個性(色)は変えたり混ぜたりせず、また否定することもなく、その人のそのままを尊重しようというメッセージを込めています。

第13章「SOLO」(孤独力)

孤独は、強さ。群れから外れることで個が際立ち強さを増します。孤独力とは、独りの時にのみ輝く強い力。色と色(個性と個性)の混色は新たな色をつくることもあり、混ざってもなお本来の個性を完全に失うことが無きよう祈りを込めて力強く筆を走らせます。「つなぐ、つくる」にも反したクリティカルな作品群です。

第14章「FLOWER」(神秘)

本能的な神秘の美しさ。同じ色がふたつとない美しい花。人間ひとりが持つ華の造形。ボンドアート作品群で唯一、デザイン的均衡を無視して美と生にフォーカスした作品群。特に、女性の美と神秘を意識して描くことが多いです。(裏コンセプトあり)

​第15章「ASPECTS」(多面性)

人の多面性を表した作品群。白目の理由はBLACK OUT(第1章FACEのコンセプト参照)この世には100%良い人間も、100%悪い人間も存在しません。どの面と接するかで人の印象や見え方は180度変わります。喜怒哀楽がつながって心があります。

​第16章「RBC」(運搬)

Red blood cells(コンセプトは後日記載)

第17章「SHADOW」(心眼)

瞼の裏側(コンセプトは後日記載)

第18章「FLOW」(貫流)

流れに身を任せる(コンセプトは後日記載)

第19章「AMBIENT」(環境)

​社会、自然、家庭など、人を取り巻く外的な「環境」がコンセプトのボンドアート作品群「第15章」新シリーズ「AMBIENT(アンビエント)」人の日常生活は、常に環境の中にあり、環境に左右される。個性豊かな廃材の組み合わせは、環境の変化に負けない隠れた個性の力強さと、環境の変化に順応する周囲への思いやりや謙虚さの表れ。進学、就職、転職、開業、結婚、出産、人生の転機に訪れる環境の変化は、人の心や生活、人と人の繋がりに大きな影響を与え、それに伴って個人の能力も浮き沈みや伸び縮みを繰り返しながら、色や形を変える。全ては人の成長へと繋がっているのである。環境は、人間を変える。しかし、環境を変えるのは、繋がる人と繋がる場所の選択を繰り返す「自分自身である」ということを忘れてはならない。新たな始まりへの勇気ある一歩を讃え、新たな環境で生まれる素晴らしい出会いに、祈りを込めて。

第20章「WORDS」(伝道)

始点から終点をつないだあと折り返し、再び終点と始点をつないだ独自のタイポグラフィー。筆先は、ひと文字書き終えたあと、来た道をなぞり、再び始まりに戻る。始点と始点をつなぐ(接着する)。ひと文字、ひと文字、始まりに立ち戻り、ひと文字、ひと文字が、連なることで言葉となる。初心に環幸し同じ道を反復することで文字は言葉に変わり伝える力へと昇華する。ボンドアートのプロセスにおいても、冨永ボンドの作家活動においても、「言葉」は欠かすことのできない重要な表現の1つ。ボンドアート作品群・第16章『WORDS』は、日頃の作家活動で大切にしている言葉の形で、ボンドアート原画作品を型抜いたポップアート。耐光性に優れたデジタル版画。
 

第21章「PLANET」(無境界)

​球......全人類がひとつに見える唯一のカタチ。人種、性別、年齢、障がいの有無関係なく、繋げば無境界。惑星ボンドボール。絵画は黒ボンドのみ使用するが、ボンドボールは多彩な色のボンドを作り塗布。色と色を繋がずとも必ず「ひとつ」だから。私たちの住む地球が今日も平和でありますよう。祈りを込めて。

第22章「DIRTY」(自然)

服や靴に付着した絵の具やボンド。意図せず作られた絵柄は、ライブペインティングの副産物であるが、無造作ゆえに格好いい。こういった評価はオーディエンスから得られたもので、靴やデニムへの「よごし」の依頼が殺到しシリーズ化に至った。画面でつなぐのではなく、冨永ボンドとオーディエンスの「自然」なつながりを表する。靴や服に付着した汚れは、洗えば少しずつ薄れるし、使用し続ければ自然と薄れる。心もまた、例え汚れてしまっても、時間の経過と共に少しずつ自然と薄れゆくものなのだ。気にする必要はない。誰にも迷惑はかけていないのだから。